てるてる坊主にコロサレタ
「腹が立つし許せない。腰巾着はどうでもいいけれど、あの双子だけはどうにかしてやらなきゃ」

「麻梨と由梨の家は代々この町の町長をしているから、誰も何も言えないんだよ」

「なるほどね。だから担任の奴もあんな理不尽なこと言ってくるわけね。権力って『こわーい』」


わざと双子の言い真似をして身震いをしてみせる奈穂実の肩は、雨でぐっしょりと濡れていた。
わたしが傘を傾けると、奈穂実は逆に押し返してきた。


「入り込んだのは私なんだから気にしないで。って美晴も濡れてるじゃん」

「これぐらい平気だよ」


何度か押して、押し返してを繰り返していると、わたしたちはそのくだらなさに声を出して笑いあった。

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