てるてる坊主にコロサレタ
「クラス委員長ともあろうものが、まったく情けない」


そう言いながらも、先生は双子を怒らずにすんだことに少しホッとしたように見える。


「あなたたちはどうしてこう問題ばかりを起こすのです? ……昼休みに桜木さんと松永さんは私の所に来るように」

「悪いのはその人達です。被害者の私が呼ばれるのはおかしいと思います」


先生の言う『あなたたち』に双子が入らずに、自分が入ってることに驚いた奈穂実は、納得がいくわけもなく先生に食い下がった。


「当然です。これまでこのクラスで、いえこの学校でこのような問題は一切起きたことがありません。なのにあなたは来た早々に学校を抜け出し、サボり、よりにもよって暴力事件をおこしています。家庭のご事情もあるので考慮しようと思いましたが限界です。私は生徒達を守る立場にあります」
< 62 / 187 >

この作品をシェア

pagetop