てるてる坊主にコロサレタ
「やだ、なにあれ不気味 」
「怒られすぎておかしくなっちゃったんじゃない?」


双子は奈穂実を軽蔑の眼差しで見ると、またすぐに今夜の計画の続きをたて始めた。


「あの人たちは今度は何を企んでるわけ? 」


奈穂実は鬱陶しそうに双子をチラッと見ながら聞いてきた。


「今夜は雨らしいから、“首なし坊主”を探しに行くみたい」

「……なにそれ? 」

「この地域に伝わってる怪談話だよ。昔、大雨を止ますために空への捧げ物として殺されてしまったお坊さんの霊が、雨の夜に自分の首を探して徘徊するんだって。それを見た人は首を持っていかれるらしいよ」

「首っ?!」


わたしは恐怖を噛み締めるように、奈穂実にじっくりとうなずいた。

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