INFATUATOシンドローム

初めての友達

ガチャ


璃夢「いってきまーす(ボソッ」


小さな声でそう言うと私は家を出た。

いつもより1時間早い出発になります。なぜなら、昨日大翔さんにされたお願いごと、それが『早く学校に行ってご飯を作ってやって欲しい』というものだったから。

なんでも出前すらも面倒くさがって食べない、もしくはお菓子を食べることがあるらしいので食べさせてやって欲しいとのこと…。

というわけで朝早く登校してご飯を作ることになりました!

怪我を治すにはしっかりとした睡眠と栄養のある食事が何より大事ですからね!


璃夢「ふぁ〜だけど流石にちょっと眠たいや…」


バスに乗り込んだ私は席について思わず大きな欠伸をしてしまった。

いつもより早く起きて、さらにお弁当作って洗濯物を洗って畳んでと…。世の中の主婦は大変だ。

ちょっと寝ようかな、なんて思って窓の外に目を向けると、見た事のある顔を見つけた。


璃夢「アレは…日向くん?」


そこにはジャージ姿で走っている日向くんがいた。

もしかして特訓?こんなに朝早くから?すごいな…私もバス乗るのやめて走ろうかな…。

すぐに日向くんの姿は見えなくなってしまったがしばらく私は日向くんのことを考えていた。









そしてやって来ました、朝の理事長室。


コンコンッガチャ

璃夢「失礼しまーす」


まだ起きていない気がしていたが一応ノックをして部屋に入る。

やっぱり理事長室の中は空っぽ。電気はおろか、カーテンさえ開いていなかった。

まだ隣の部屋で寝てるのかな?それとも、起きてるけどこの部屋に居ないだけ?

とりあえずご飯作るなら部屋に入らないと作れないんだし、入っちゃおう!

コンコンッ

こっちも返事なし。よし入りマース!

そう思って扉を開けた
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