どきどきするのはしかたない

【私、ご飯はそんなに作りません。種類も…作れません。掃除も適当です。細かい事、そんなに気にして片付けたりしません。私のそんな部分て、何も知りませんよね?
好きな人が出来たからって、美味しいご飯が作れるようになれたらって、そんな努力もまだしていません】

何を思ったか、いきなりそんなメールをしていた。いいところなんて一つも無い、駄目な人間だって、そう伝えておきたかった。…多分。今の状況を利用して言っておこうとしてる、狡さが働いた。
だから…。

【好きなだけでは駄目なんです。私はただ好きなだけです】

…これは自分から私は駄目って言ってるようなモノ。結局、私は課長に憧れていた、それで良かったんだ。私には過ぎた幸せだったんだな…。私が一緒に居ても課長には何にもならない。私……嫌われようとしてるの?
そうよ、初めから、傷つかない距離の好きだけで過ごしているのがいいって、話していたじゃない…。結果として傷つく事は構わないのよ、別に…。ただ、課長とは釣り合わない、という事が…よく解った。
浮かれていないで、もっと早く気がつくべきだった。一緒に居たらって事を想像したら…。
私の駄目な部分…気がついていたけど、好きだから…ずっと甘えていたかったんだ。

…あぁ、…はぁ。どうしたらいいの…。
それは…解ってるけど。

…課長。無言のメールも来ない。
もう、仕事みたいに割り切るのよ。
…うん。スパッと割り切らなきゃ。そういう時、それが今じゃなく行き過ぎても、いつかは訪れると思うから…。
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