決断は一瞬、後悔は一生

俺は一体何がしたかったんだ・・・?


美雨を傷つけて楽しいわけがないのに。


どうしたら戻れるんだろう。



あの日から、美雨は俺と目を合わせようとしてくれない。



たまに、何気なく目が合う時も合うけど、美雨はすぐ逸らして雫の方を見る。



もう俺じゃなくて、雫なのか・・・。



一歩間違えただけでこんなにも変わるなんて。



あの時の俺が知っていたら、こんなことならねーように頑張ってたのに。


はぁ。



どうして俺はいつもこうなんだろう。



いざという時、緊張からか失敗する。



今までだって、ずっとそうだった。


今回もそれで終わるのかな。



俺ってどうしてこんなカッコ悪いんだろう。



周りの奴らはいつもいつも口にしてくる。


「顔かっこいい〜!」「かっこいいよね!」「かっこいいとこしかない!」


口裏を合わせたかのように、周りの奴らはいつもそう言ってきた。




だけど、美雨だけは違った。



会って3日もたってないのに、美雨は、俺に言ったんだ。




「結城くんはそうゆうところかっこ悪いと思う。でも、かっこよくなろうとしている結城くんはかっこいいと思うよ」



あの言葉が俺の中に響いて聞こえたんだ。



あの言葉だけで、俺は今まで自分が求めていたものが見つかったような気がして。


その日から、俺は美雨だけを見てきたのに。


美雨は俺と話さなくなって、前以上に可愛くなって、最近でも周りの奴らは美雨の話ばかりだ。


「すげー可愛くなってね?」「可愛すぎて天使だな」「あんな可愛い彼女欲しい」



俺だけのものだったはずなのに。



それは一瞬にして変わる。



幸せも一瞬にして悲しみに変わる。




こんなことだったら、会わなければ良かった。




この頃の俺は、そう思ってたんだ。


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