三本串
友人 邦夫
『いらっしゃいませー』

今日も文太の声がひびく


『オスッ 文太』


邦夫がやってきた


いつものようにカウンターに座りビールを頼む


8時過ぎになり文太はそろそろの時間


『なぁ 良雄 華子ちゃんの様子どうよ ?』

『あぁ まあまあかな まだまだ時間かかるだろうよ』


『そっか 大変だな 俺に出来ることあったら何でも言ってくれよ』

『ああ ありがとよ じゃ とりあえず これボックス運んでくれ』

『・・・・』


運ぶ邦夫


『そうじゃ なくて なんか他に困ったことねぇの』


『何かあったら遠慮なく言うよ それより自分の心配したらどうなんだ』


『俺は、いいんだよ』

『いい加減 落ち着いたらどうだ 足洗えって』


良雄が厳しい目で邦夫を睨む


胸まで開けた白いシャツにギラギラした頭

邦夫はチンピラだった

『何言ってんだ 今更』


そう言ってゴクッとビールを飲み干した


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