身代わりペット
「で?」

「……はい?」

「なんで俺に相談しなかったんだ?」

課長がその写真を、トントン――と指さして私に言った。

「それは……」

ちょっと、と言うかかなり怒った表情の課長が怖くて、目を背ける。

「恋人が困っているんだ。助けない彼氏がいない訳ないだろう?違うか?」

「それはそうなんですけど…………え?」

課長の言葉に、私は背けた顔を課長に向き直す。

「課長?い、今、なんて言いました……?」

あれ?私の聞き間違いか空耳だったかな?

「ん?なんで相談しなかった」

「その後です」

「その後?恋人が困ってるんだから助けない彼氏がいない訳ないだろう、か?」

「はい、それです……」

あ、やぱり聞き間違いじゃなかった。

確かに課長はそう言ったみたいだった。
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