身代わりペット
ん?

あれ?

『恋人』……?

『彼氏』……?

「あの、誰と誰の話をしてます?」

なんかよく分からなくなって、再度課長に尋ねた。

「今、俺と中条以外に誰の話をしていたんだ?俺たち2人の話に決まってるだろう」

呆れ気味にため息を吐かれた私は、それでも納得が行かなくてまた尋ねる。

「あの、つかぬ事をお伺いしますが、恋人とは誰と誰の事ですか?彼氏とは……?」

「さっきから何を言っているんだ?俺達の事だと今言ったはずだが?」

「あ、私達の…………えぇぇぇぇっ!?」

私はガバッ!と勢いよく椅子から立ち上がり、驚きの声を上げた。

椅子が勢い余って倒れかける。

「なんだそんな大声を出して」

「いや、あの、だってっ!!」

私は完璧にパニックを起こし、あたふたと頭を抱えた。

「何か変な話だったか?」

「変ですよ!私達って付き合っていたんですか!?」

「えっ……付き合っていたんじゃないのか?」

「えっ!?」

「えっ?」

双方驚いて、見つめ合う。

でも、驚いている内容が違い過ぎて、私は目を白黒させた。

「……すみません。状況を一旦整理してもいいですか?」

「ああ、分かった」

私は、ふぅ、と呼吸を落ち着かせ、一個一個尋ねる。
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