身代わりペット
そう言えばあの騒動の後、和矢と新井麗子は会社をクビになった。

悪行の噂はたちまち広がって、すぐに社長の耳にも届いた様だった。

私、千歳、和矢、新井麗子が社長に呼び出され、事情を聴かれた。

最初、和矢と新井麗子は色々と弁解をしていたけど、千歳の録音した音声が証拠となってあっけなくお縄になった。

その日付でクビを言い渡され、それからあの二人の姿は見ていない。

どうしているのかも興味ないし、自業自得だと思っているので同情もしていない。

「……そうだ。淳一さん」

「うん?」

「私の住む所なんですけど」

「またその話か?だから、このまま一緒に住めばいいじゃないか」

「はい。そうしようと思って」

「強情だなぁ、一緒に……え?」

淳一さんが目を丸くしている。

「今、なんて?」

「だから、一緒に暮らしたい、って言ったんです」

その言葉を聞いて、淳一さんの目がパァァァッ!と光り輝く。

「そ、そうかそうか!うん、それが良い。それが良いよ!」

うんうん、と頷く淳一さん。

「はい。これからは3人になりますがよろしくお願いします」

「うんうん。3人でもなんでも……ん?3人……?」

私の言葉を理解していないみたいで、首を傾げる。

「はい。私と、淳一さんと、お腹の子と、3人です」

「…………は?」

「ですから、私、淳一さん、私達の赤ちゃんの3人です」

「……………ええぇぇぇぇぇっ!?」

私の言葉をやっと理解したみたいで、淳一さんが会議室中に響くくらい大きな声で叫んだ。

多分、会議室の外にまで聞こえた気がする。

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