身代わりペット
「え~?断っちゃうの~?もったいないなぁ~」

「もったいなくない。こんな事、和矢にバレたらどうなるか」

「なんで?バレてもいいじゃん。そのまま別れれば」

千歳の声のトーンが落ち、カチッとカップをソーサーの上に置く仕草が、少しイラ立っている。


まただ。


和矢の話をすると、やっぱり千歳は目に見えて不機嫌になる。

今までは聞いちゃいけない事が何かあるのかと遠慮していたんだけど、今日は聞いてみよう。和矢を毛嫌いする理由が知りたい。

「あのさ」

「ん?」

「なんで千歳は、かず…」

「あっ」

「え?」

「時間、ヤバい」

「え?」

千歳が腕時計を指さす。

その仕草につられて自分の腕時計を見てみると、昼休み終了まで十分を切っていた。

「うわっ、ヤバ!!」

私たちは慌てて会計を済ませ、お店を後にする。

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