哀しみの最果て
最近の若者達にとったら刺激がいまひとつ足らない遊園地だと思うが、比奈にとっては最高の遊び場だろう。


結婚したときにファミリーカーとして買ったミニバンの運転席に真、助手席に陽子、後ろに比奈といった具合に乗り込んだ。


出発して30分程経った頃、先ほどまで騒がしかった比奈もぐっすり寝てしまっている。


遊園地に着くまで元気を充電中といった所だろう。


真は静かに車内に流れる音楽のボリュームを下げた。


「ねぇ。あの車ちょっと変じゃない?」


とっさに陽子が真に声をかける。
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