俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
1年前 大阪支社
「千堂室長、わざわざすみません」
「構いませんよ。社長に渡しておきます」
大輔は大阪支社に出張をしていた。
『片桐主任!』
少し離れた所から聞こえたその言葉に、大輔はフロアを振り返った。
(片桐って言葉に反応するなんて。まだ俺は昔を思い出してるのか?)
塔子の事は、とっくに吹っ切ったつもりだった。
幼い塔子の将来を自分が奪うなど、到底許されるものではなかったのだから。
(後悔はしていない……俺は……え?)
しかし、そこにいたのは紛れもなく塔子だった。
大輔は自分の目を疑った。
あの頃の面影は全くなく、一人の大人の女性に成長した塔子は、部下の男性社員相手にもひるむことなく、指示を与え、時より綺麗な笑顔を向けていた。
昔のふわりとして、いつもニコニコと笑っていた塔子はどこにもいなかったが、昔以上に綺麗になり、輝く塔子から大輔は目を離せなかった。
「千堂室長?」
そんな事を思って塔子を見つめていると、不意に声を掛けられ我に返った。
「緑川部長……彼女は?」
「千堂室長、わざわざすみません」
「構いませんよ。社長に渡しておきます」
大輔は大阪支社に出張をしていた。
『片桐主任!』
少し離れた所から聞こえたその言葉に、大輔はフロアを振り返った。
(片桐って言葉に反応するなんて。まだ俺は昔を思い出してるのか?)
塔子の事は、とっくに吹っ切ったつもりだった。
幼い塔子の将来を自分が奪うなど、到底許されるものではなかったのだから。
(後悔はしていない……俺は……え?)
しかし、そこにいたのは紛れもなく塔子だった。
大輔は自分の目を疑った。
あの頃の面影は全くなく、一人の大人の女性に成長した塔子は、部下の男性社員相手にもひるむことなく、指示を与え、時より綺麗な笑顔を向けていた。
昔のふわりとして、いつもニコニコと笑っていた塔子はどこにもいなかったが、昔以上に綺麗になり、輝く塔子から大輔は目を離せなかった。
「千堂室長?」
そんな事を思って塔子を見つめていると、不意に声を掛けられ我に返った。
「緑川部長……彼女は?」