王様と私のただならぬ関係
「専務の娘とか。
 あとでいろいろありそうでめんどくさい」

 あとでいろいろって、きっと、出世とかって話ですよね?

 まあ、この人、それにともなう付き合いとか、めんどくさがりそうだなあ、と思う。

 うちの父親と一緒で、研究だけに没頭していたいタイプに見える。

 いや、でも、好きな研究するのにも、ある程度の地位は必要ですよ、と思ったのだが、とりあえず、黙っていた。

 秀人は、
「お前だって、如月に付きまとわれて、困ってるんだろう。
 今すると、俺もちょうどいいんだ」
と明日のスケジュールを伝えるように、事務的に言ってくる。

 どうしたことだろう。

 耳鳴りもしないのに、さっきから幻聴が聞こえ続けているが……。

「式はいつにする?

 いろいろ予定もつまってて、忙しい。
 どうせなら、早い方がいいんだが」

 そう、にこりともせず、秀人は言ってきた。






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