王様と私のただならぬ関係
 




 職場に戻った秋成は、デスクの上にあった適当な紙に、腰を屈め、黙々とメモしている秀人に訊いた。

「葉月。
 お前、薔薇の花言葉って、知ってるのか?」

 葉月は顔も上げずに、
「知ってる」
と言ってくる。

 そうか。
 知ってるのか、と思ったが、それがいいことなのか、どうなのか。

「……百八日かかるぞ」
と言うと、顔を上げた秀人に、

「なんの話だ」
と言われる。

 今、知ってるって言ったはずだが……。

 何を知ってるんだろうな、こいつ、と思いながら、
「白い仮面つけてったんだって?
 何処で買ってったんだ。

 かなりホラーな感じだったようだが」
と言うと、秀人は、今書いた紙を見ながら、

「ちょうど手頃なのがなかったから、その辺にあった紙粘土で作ったんだ」
と言う。

「いや……手頃な紙粘土がその辺にある方が不思議なんだがな」
と言いながら、こいつ、今日も行く気なのかな、と思って聞いていた。






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