添い寝は日替わり交代制！？
「あんな思いって…。」

「宇佐美くんの元に行かせるなどと…。」

「！
　だったら。
　だったら「行くな」と言ってください。
　私は…宇佐美くんと添い寝してと佐々木課長に言われてショックでした。」

「………それはすみませんでした。」

　腕が緩められて苦しさから解放されたはずの体はまだドキドキして苦しかった。

　頬を両手で包まれて佐々木課長の綺麗な顔が近づいてくる。
　視界がチカチカして見ていられない。

　そのまま近づいた顔はおでこ同士が重なってごちんと小さな音を立てた。

「これからは離して欲しいと言われても離しません。
　…しかしそれは私のエゴというもので……。」

　ヤダ。なんだか笑えてしまう。
　こんなに目がチカチカしちゃうくらい綺麗な人なのに……。

　こんなことで貴也さんが愛おしく感じる。

「そこは「もう離さない」って言って欲しいです。」

　小さく口を出た言葉に一瞬驚いた表情を見せた佐々木課長がフフッと優しく笑った。

「はい。離れないでください。
　好きです…。」

　ゆっくりと近づいて来る佐々木課長に恥ずかしくて目を閉じると優しく唇が重ねられた。
　唇の隙間から漏れる息に胸がキュッと締め付けられる。

　本当に本当に貴也さんは私のことが……。

　緊張で未だ目を開けることができない心春に少しだけいたずらっぽい声がかけられた。

「覚悟してくださいね。
　中島さんといるとこんな自分もいるのだと驚きますので、駄々っ子をあやしていただかないといけないかもしれません。」

　駄々っ子の佐々木課長って…。
　緊張していた顔が緩むと目の前の首に抱きつくように腕を回した。

　驚いた表情が見えないのが残念だって思っちゃう私は佐々木課長がものすごく好きみたいだ。

「駄々っ子でもいいです。
　それに中島さんじゃなくてこはちゃんです。
　貴也さん。」

　柔らかいフフッという笑い声が耳元で聞こえて「さぁもう寝ましょう」とささやかれた。


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