だったらあんたが堕ちてくれ

視線を逸らす。

なんでもいい。

浴槽に張られたお湯でも、すね毛の生えた足でも、壁のタイルの隙間のゴムでも。

とにかく椿から視線を逸らすことに集中する。

「おい!」

呼びかけてみる。

が、返事はない。

「椿!」

名前を呼ぶ。

与えられた仮の名前。

が、これまた返事がない。
< 122 / 389 >

この作品をシェア

pagetop