たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
食事を終えたエルンストをいつものように見送った後、フィーアはルイーズに声をかけられた。


「その指じゃ水仕事は無理だから、洗濯干すの手伝って」

フィーアは無言でうなずくと、ルイーズと裏庭に向かう。

使用人の食堂の裏手にある裏庭へ出ると、すぐに井戸があり、その横に干場があった。

屋敷を囲むユリの花はここにもちゃんと植えられている。


井戸の前に置かれた大きな桶の中には洗濯物が山のようだ。

エルンストのシーツは毎日取り換えるし、もちろん下着に着替え。その他タオル類や食事用のナプキン、エプロン等々。

今日はカーテンもあるからすごい量だった。


「水汲みは私がやるね」

フィーアは桶の中に勢いよく水を入れる。


「サンキュ」

洗濯石鹸を豪快に泡立てるとその中にシーツを放り込み、ルイーズはゴシゴシと洗い始める。

あっという間に二人のひたいから汗が流れてくる。

今日は洗濯物がよく乾きそうだ。
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