イジワル副社長の溺愛にタジタジです
副社長は気ままな男
「本城(ほんじょう)さん。そろそろ会議のお時間です」

「はぁ……またか。もう会議は飽きた」


化粧品会社としては国内で二位のシェアを誇る、『ドゥシャイン』の副社長室の一日は、毎日こんなことの繰り返しだ。

やる気のない返事ばかり返ってくるのは、彼が別の会社で好きなように働いていたところを、引き戻されたからに違いない。


「飽きたとか、そういう問題ではありません。し、ご、と、ですから」


私、蒼井(あおい)すみれが秘書としてついているのは、ドゥシャインの副社長、本城慶太郎(けいたろう)、三十歳。
社長の息子であり、将来はトップに立つだろう御曹司だ。


男にしては長いまつげとくっきりとした二重の大きな目。
そして鼻筋が通っていて、唇もどこか色っぽい。

髪は柔らかそうな黒髪で、化粧品会社の副社長をしているより、CMにモデルとして出たほうがいいんじゃないかと思う。

だって、顔だけでなくスタイルも抜群。
私より二十五センチ近く高い身長は、百八十五センチほどで、いつも見上げなければならない。

さらに、長すぎる足。
かといってヒョロヒョロなわけでなく筋肉質な体つき。
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