イジワル副社長の溺愛にタジタジです
その言葉にカチンとくる。
『みすぼらしい』って言ったって、あなたほど給料はもらってないし、その中で頑張ってそろえたのに。


「すみません。それでしたら、他の秘書をお探しください」


別にどうしても秘書がしたいというわけでもない。


「それは無理だな。連れて歩くなら女がいいし、他の女だとすぐに俺に惚れちまうだろ? そうすると面倒じゃないか」


なに、その秘書は装飾品みたいな言い方。

これでも頑張って働いているつもりだ。それに、その“普通は俺に惚れるのに”という自信に満ち溢れた言い方にも腹が立つ。
私は絶対に惚れたりしないんだから!


そのとき、さっきの店員がいくつかパンプスを持って戻ってきた。
すると本城さんは瞬時にそこから数足を選び出す。


「こちらはけっこうです」


履いてもいないのに、どういう基準で選んだの?
私が不思議に思っていると……。


「あまりヒールの高いものでないほうがよろしいんですね」

「はい。彼女はよく歩きますので」


なるほど、彼が排除したのは、ヒールが高かったり極端に細かったりするものばかりだ。
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