イジワル副社長の溺愛にタジタジです
「蒼井、履いてみろ」


店員を前に断りきれない私は、彼に促されるまま足を入れてみた。


「あれ……」


ここのパンプス、今までのパンプスにあった圧迫感がまるでない。
デザインはスマートなのに、窮屈に感じるところがないのだ。


「よろしければ歩いてみてください」


店員に促されて歩きだすと、ヒールのせいで少し足先にずれてきた。


「ここにインソールを入れるといいですね」


それに気づいたらしい店員は、特殊な形状のインソールを持ってきて、中に入れてくれる。
すると、まるでオーダーしたかのように自分の足にピッタリフィットした。

さすがはプロだ。


「それいいな。そのまま履いていきますので、会計を」

「あっ、本城さん!」


彼が財布を取り出すので慌てて止めようとすると、私の手より一瞬早く黒いカードが店員の手に渡った。

これは噂のブラックカード!? 
年収が一千万以上はないと作れないと聞く、あの。

なんでも年会費が三十万も四十万もするらしい。
私の月収よりずっと多い……。

まぁ、彼は年収一千万どころではないだろうから、そんなの余裕だろうけれど。
< 17 / 33 >

この作品をシェア

pagetop