ヒトツバタゴ

〜掴んだこたえ~



今年は営業部のチームメンバーの男で4人部屋か




部屋割り表に記載された部屋に入り、荷物を置いて寛ぐ



12畳程の広い和室の部屋はトイレと温泉じゃない内風呂はついている





せっかく温泉地に来たんだから温泉に入りたいよなぁと夕食まで時間があるので大浴場へ行くことにした




男4人でぞろぞろと大浴場へ向けて館内を歩く




みんな考えることは同じで、大浴場はうちの社員で混雑していた



服を脱ぐとよく知ってる奴以外、誰が誰だか分かんないもんだな










夕食の宴会場へ行くと、まだ人はまばらで、毎年大也と並んで座る奥から3列目の端っこに二人分の席を空けて座った



すぐに大也も来て、俺の隣に座る



「橘、なんで浴衣じゃないの?」




俺を見て首を傾げる大也




「愚問だな」




「はいはい愚問ね、いつまでも片想いしてろ」




俺の返事が気に入らなかったのか、理由を察した大也は嫌な呪いを口にする




傷跡が見えるだろうからさつきは浴衣は着てこない



さつき1人だけ私服だと目立つけど、2人だったらそこまで気にされないはず






いつか





さつきが傷跡が見えても気にならなくなればいい



自分が着たい服を選べる日がきたらいいと思う


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