【完】恋愛事情


疎まれていると分かっても。
あたしは貴方が好きだから。


最後の言葉を言われるまでは、このままでいさせて欲しいと心が願った。



だって、何時の間にか、あたしの中は裕でいっぱいに膨らんで。


…今更失う事が出来ないくらい、満杯だから。



精一杯に貼り付けた、微笑んだままのあたしの仮面。
その下で全身の血という血が全て引けてゆくのを感じてる。



出来る事なら。
意識でも失って…全てが夢なんだと思いたい。

目の前にいる貴方の…。
その微笑が作りものだなんて信じたくない。




…本物の、貴方は何処にいますか?
いつから、其処には存在しなくなってしまったのですか?



ぐるぐると渦巻く言い様のない感情たち。

その真ん中で、息苦しさにもがいてる、あたしを誰か救って下さい。



逃げ場のない、あたしの心は…今すぐ此処で。
根元からごっそりと…途絶えてしまいそうだから。



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