空の色をおしえて


「どうしてそう思うの。自分の力量をもう決めちゃうのはなんで?僕からしたら、美咲ちゃんだっていつも真っ直ぐでキラキラしてるよ」


憧れだよ、と真剣な顔で言った。

合わされた目を、逸らさずに見つめる。
その澄んだ瞳からは、彼の本心からの言葉なんだと伝わってきた。

思いがけない言葉だっただけに、急に照れ臭くなってきてしまい、笑って目を逸らした。



「ありがとう。すごく嬉しい」

隼人君は気づいているのかな。
昔からこの優しい人は、いつもわたしのほしいものをくれる。
 
それが、どれだけわたしを勇気づけてくれてきたのか分かっているかな。

今夜はわたしの1番ほしかったものをプレゼントしてくれた。

それは、自分を信じることの大切さ。



わたしにだって努力次第で輝く世界の住人にだって成り得る可能性もあるのだと、おしえてもらったのかもしれない。







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