空の色をおしえて
そして追い討ちをかけるように、あれこれと頭を悩ませている間に本格的な夏がきてしまった。
8月に行われる国際展覧会の閉めきりまで、あと1ヶ月。
「隼人君……わたしってやっぱり馬鹿だったみたい」
ひんやりとした図書室の机に、頬をつけてうなだれる。
腕は下に降ろしたままだから、きっと端からみたらそれこそ馬鹿みたい。
隣に座る隼人君の方向に顔を向け、大きなため息をついた。
「はぁ……いいの本当のことだから。テーマは絶対に変えたくないのに、それでは描けない。でも変えたくない……。迷走だわ」
隼人君はノートの上で動かしていた手を止めて、困った顔でわたしを見る。