空の色をおしえて
「あれ、起きたの?」
浴室から出てきた母さんは、濡れた髪をタオルで拭きながら驚いた顔をした。
リビングと繋がった対面式のキッチンで、浄水器の水をグラスにそそぐ。
「この前話したこと、検討してくれた?」
この前と言わず、高校を卒業してから、たまに顔を合わせばその話ばかりだった。
考えてみたら、他に話題もないから仕方無いことかもしれない。
「美咲もね、いつまでもフリーターってわけにはいかないと思うの。今の仕事が本当にやりたいことなら、何であってもお母さんは応援したいんだけど」