空の色をおしえて



タクシーからおりると、1歩ずつ砂浜に足を埋めながらフラフラと岩場まで歩いた。

ずっとここに還りたかった。
秋人がいなくなってから、ずっと、そう思ってた。

臆病なわたしは、恐くて出来なかった。
戻ることも進むことも出来ないなんて思ったこともあったけど、それは違う。

進めないなら、戻るしかない。

もっと早くこうすれば良かった。


そうすれば、母さんを困らせることも、綾乃に心配をかけることも……隼人君を傷つけることもなかった。

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