空の色をおしえて
綾乃は出会った頃からいつだって、単刀直入に話しをしてくれた。

きつい言葉を使うこともあったけど、事ある毎にうじうじするわたしのために、そうしてくれているんだと思う。


「わかってる、わかってるよ。このままじゃ駄目なんだってこと。お互いのために良くないんだってこと」


綾乃は、はぁ…………
と長いため息をついて真剣な表情を和らげた。


「まぁ、とりあえずそろそろ、その曖昧な関係をはっきりさせてみたら?この先は恋人となって一緒にいたいのかどうなのか」


「うん……」


「もしそう思えないなら、菅波君のためにも、完全に関係を断つことも考えないといけないかもよ」


少しの時間、沈黙が続く。

グラスの中の氷が、カランと音をたてて崩れた。
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