空の色をおしえて
お昼休憩になると、2人は一緒に近くのファミレスに向かった。
仕事中に来てくれた時の、いつものお決まりコース。
席に案内され腰を下ろすと、早速ランチセットを注文し、容赦なく本題から話し出す。
「それで、まだ菅波君はよく迎えにくるの?」
「うん。でも別に嫌ってわけじゃないんだよ。申し訳ない気持ちにはなるけど……すごく」
「それは別にあっちが好きでやってるんだから、気にすることないんじゃない」
彼女は言葉を選ぶような間を少しあけてから、真剣な顔でわたしの目を見た。
「あたしが心配してるのは、このままずっと過去にとらわれて、2人とも前に進めないんじゃないかってこと」
「いっつも言ってるけど、あんたの菅波君に対する気持ちは、同情にしか思えないの。それか、ただ寂しいだけなのか……」
「いずれにしても、悲しい結末しか想像できないね」