空の色をおしえて

お昼休憩になると、2人は一緒に近くのファミレスに向かった。

仕事中に来てくれた時の、いつものお決まりコース。


席に案内され腰を下ろすと、早速ランチセットを注文し、容赦なく本題から話し出す。



「それで、まだ菅波君はよく迎えにくるの?」


「うん。でも別に嫌ってわけじゃないんだよ。申し訳ない気持ちにはなるけど……すごく」

「それは別にあっちが好きでやってるんだから、気にすることないんじゃない」


彼女は言葉を選ぶような間を少しあけてから、真剣な顔でわたしの目を見た。


「あたしが心配してるのは、このままずっと過去にとらわれて、2人とも前に進めないんじゃないかってこと」

「いっつも言ってるけど、あんたの菅波君に対する気持ちは、同情にしか思えないの。それか、ただ寂しいだけなのか……」

「いずれにしても、悲しい結末しか想像できないね」


< 32 / 315 >

この作品をシェア

pagetop