明日、君を好きになる
『言っておくが…』

ふいに沈黙を破り、小野崎さんが口を開く。

『偶然じゃないから』
『え?』
『2度も、こんな偶然ある訳ないだろ』

…確かに、いつだったか駅で会った時といい、今回といい、タイミングが良すぎる気がした。

『ちなみに俺の働いてる店は、さっき君のいた店の2件隣のビルに入ってる。客の見送りをしてたら、エリを見つけた』
『それじゃ…』
『今日のは本当に偶然だよ』

ということは…前に、駅で会ったのは…?

思考回路がまだ正常に働かない頭で考えるには、どうにももどかしい。

幾つかの角を曲がり、この辺りでは、少し広めの公園にたどり着く。

駅近で緑も豊富なこの公園は、昼間はランチを売っているワゴン車が止まり、家族連れよりも近隣の会社員やOLさんがランチをしたりしている場所。

深夜0時を過ぎたこの時刻は、当然の如く閑散としていて、園内の所々にあるベンチには、幾人かの若者や恋人達、酔いを醒まそうとしてる酔っ払いが数名いるだけだ。

小野崎さんは、入ってすぐのベンチに私を座らせると、やっと繋いでいた手を解放してくれる。
< 112 / 185 >

この作品をシェア

pagetop