明日、君を好きになる
次に会ったら、いつもと同じように、接することが出来るのだろうか?

小さくため息を吐き、もう一度、横になる。

今は恋愛なんてしている場合じゃない。

次のことを考えなきゃいけないのに…。

そう思いつつも、目を閉じれば瞼の裏に焼き付いて離れない、小野崎さんの笑顔。

ああ、これってもう重症かも。

薄いタオルケットを、胸元まで引き上げ、無理矢理にも目を瞑る。

とりあえず、今は何も考えず、体調を戻さなきゃ。

浮かんでは消える邪念を振り払い、もうひと眠りすることにした。


・・・・・・・・・・・・・


……―ンポーン、ピンポーン

…遠くから、微かに聞こえてくる、インターフォンの音で目が覚めた。

薄闇の中で時計を見ると、時刻は、夜7時過ぎ。

昼に軽く食事をとり、市販の風邪薬を飲んでから今まで、一度も目が覚めることなく、スッカリ熟睡してしまっていたらしい。

良く寝たおかげで、身体を起こすと、寝すぎたせいか多少の気怠さはあるものの、朝ほどの辛さは無かった。

枕元に置いていたスマホの画面に、いくつかのメッセージが届いている表示が見えたけれど、そこで遠慮がちに2度目のインターフォンが鳴り、取り急ぎ玄関まで行き、訪問者を確認する。

独り暮らしの女性の安心アイテムである、玄関先のモニターを覗き、相手を確認してからドアを開けた。

『体調はどう?エリィ』

そこには、買い物用のエコバック片手に、渚ちゃんが心配そうに立っていた。
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