春が来たら、桜の花びら降らせてね

「なぁ、原田が喋ってるぞ」

「え、嘘!」

「原田の声、初めて聞いた……」

そんな時、クラスのみんなが興味津々に私を見ていることに気づいた。

また、喉になにかが詰まるような感覚が蘇り、喉を押さえる。

変に思われてるっ、どうしよう……怖いっ。
そんな時だ、「別に、冬菜だって話すでしょ」と別の声が響く。

「え……っ」

驚いて振り向くと、そう言ったのが園崎さんだと気づいた。

園崎さんは頬杖をついて、黒板を見つめている。

「いちいち騒ぐなって、それより昨日の特番見た?」

園崎さんは、うまくみんなの話題を変えてくれる。それにホッと息をつくと、園崎さんがチラリと私を見た。

その瞬間を逃さないように、私は口パクで『ありがとう』と伝える。

「っ……なんのことよ」

照れくさそうに顔を真っ赤にして、他のクラスメートの所へ行ってしまう園崎さん。その姿に、口元が綻ぶ。
< 272 / 277 >

この作品をシェア

pagetop