春が来たら、桜の花びら降らせてね
「なぁ、原田が喋ってるぞ」
「え、嘘!」
「原田の声、初めて聞いた……」
そんな時、クラスのみんなが興味津々に私を見ていることに気づいた。
また、喉になにかが詰まるような感覚が蘇り、喉を押さえる。
変に思われてるっ、どうしよう……怖いっ。
そんな時だ、「別に、冬菜だって話すでしょ」と別の声が響く。
「え……っ」
驚いて振り向くと、そう言ったのが園崎さんだと気づいた。
園崎さんは頬杖をついて、黒板を見つめている。
「いちいち騒ぐなって、それより昨日の特番見た?」
園崎さんは、うまくみんなの話題を変えてくれる。それにホッと息をつくと、園崎さんがチラリと私を見た。
その瞬間を逃さないように、私は口パクで『ありがとう』と伝える。
「っ……なんのことよ」
照れくさそうに顔を真っ赤にして、他のクラスメートの所へ行ってしまう園崎さん。その姿に、口元が綻ぶ。