春が来たら、桜の花びら降らせてね
「あ、そうだ冬菜、こっち来いよ」
夏樹君はちょいちょいと手招きしてくる。
ここは1階で、窓の外は中庭に繋がっている。
どうして外にいるのか、私に何の用なのか。
もう、どっから突っ込めばいいのやら……。
疑問ばかりが浮かんで、頭を抱えたくなった。
「はぁ……」
上手い断り文句を見つけられなかった私は、ため息をつきつつ、言われた通りに窓の前に立つ。
すると、夏樹君は私の頭一個半ほど身長が高いことに気付いた。
それに少し圧倒されつつ、夏樹君を見上げる。
「あー……お前って、そんな小さかったんだな」
「…………」
そりゃ、男女差あるだろうし。
でも、夏樹君の言い方って、前から私のこと知ってるみたいに言うんだな。
夏樹君とは初対面のはずなのに。
いや、考えすぎ?
不思議に思いながらも、私は深読みのしすぎだと自分を納得させることにした。