私の二人の神様へ
仁くんとの食事の準備もできたし、榊田君とのデートも楽しくできて私はご機嫌だった。
榊田君がいつも通り無愛想なのも気にならないくらい。
「お前はそんな無駄遣いして平気なのかよ?」
地面に置いた紙袋は三つ。
それはかさ張っているし、重いけど、榊田君がいてくれたから助かった。
値段も比較的安かったし、あくまで比較的だけど。
「少しは痛いけど、無駄遣いじゃありません!」
「無駄遣いだろ?食器はあるし、テーブルクロスなんてどこに必要がある?」
「おもてなしには必要なものでしょ?やっぱり見た目も大事じゃない」
そこで、榊田君は眉をひそめた。
「おもてなし?」
「そう!あのね、再来週、佳苗さんが実家に戻るから仁くんを家に招待することになったの!はじめてなんだよ!」
喜びを榊田君と共有しようと私はにこにこしながら言ったが、榊田君の表情は渋い。
そうか。
榊田君が喜ぶわけないか。
仁くんとは犬猿の仲なのだから。
「仁を招待するための準備だったのか?」
心地良い空気に不穏さが漂う。
しまった。
私は言ってから後悔した。