私の二人の神様へ
「お二人さ~ん。ただでさえ暑いのに、さらに暑くさせないでくれません?」
「本当に、毎回見せ付けてくれちゃって。これ暖房になってない?」
ニヤニヤとからかう視線を部屋中から寄越され、私は慌てふためいた。
「待ってよ!みんなが何も言わないから私が榊田君のこと怒ってるのに、そうやってからかうなんてひどい!」
「水野さんに構って欲しくてわざと榊田はしてるに決まってる。他のやつだったら、地獄行きにするくせに」
そんなことを言われると、どうしたって顔が熱くなってしまう。
ちらりと榊田君を見ると、彼はまったく気にすることなく冷蔵庫を物色している。
私はからかう視線を一睨みして、パイプ椅子に腰掛けた。
「お前がそうやって何でも顔に出して、いちいち反応するから、からかわれるんだ」
榊田君が私の隣に腰掛け、長い足を見せ付けるかのように組んだ。
「ごめんなさいね。榊田君みたいに顔面麻痺してないの」
私が嫌味ったらしく言うと、彼は口を優しく歪めて笑った。
「それがお前の良いところだ。ほれ、一口食べて良いぞ」
プリンの封を開け、まだ榊田君も口をつけてないプリンが私の目の前に差し出された。
「え?でも、榊田君まだ食べてないし」
「お前が先に食え。遠慮することはない」
私に特別優しい榊田君。
こうして特別扱いされると、やっぱり自然と口が笑んでしまう。
また、からかうような視線が寄越されたが、それを見ないようにプリンを一口食べた。
ああ、甘さ控えめでおいしい。
ささやかな幸せを味わっていると、