浅葱色の忍
文久  夏



〝 忍として、裏方に徹すること
近藤ではなく、土方に仕えること
試衛館の者以外に、存在を
知られてはいけない など 〟


条件付きでの入隊となった



「毎日、芹沢さんの行動を報告してくれ」


「わかりました」




土方は、山崎の力量を試すつもりだったが
1ヶ月、芹沢に張りつき
全くバレる気配もなければ
報告もわかりやすく


土方は、山崎を気に入った


「こっちに来てどれくらいだ?」


「2年ほどでしょうか」


「随分と道に詳しいな」


「職業柄、クセというか最初に
近道や逃げ道は、確保しますので」


「ふぅーん
クナイとか、持ってんのか?」


「…まあ」


「手裏剣とか」


「そりゃ、持ってますけど」


「忍ってのは、話に聞くだけで
実際に会うことなかったからな
どの程度強いとか
どんな感じかわからねえ
かっちゃんがよ、お前に危ないことを
させるなって、うるせぇんだよな」


「はぁ 基本、危ないと思いますけど?
コソコソしてるだけで怪しいですから」


「芹沢さんはな、気配に敏感なんだ
1ヶ月も気づかれないとは、大したもんだ」


「これくらいで誉められるのは
なんか、くすぐったいですね」




翌日


真っ昼間に山崎が戻ってきた




「副長 芹沢さん屯所に戻りました
不逞浪士のたまり場みつけたんですけど
どうします?」


「本当か!?」



すぐに地図で場所を教え


幹部を召集した



「夜まで見張って、中から手引きしましょう
ここら辺に勝手口があったので
そこと門を開けます」



「ちょっと待て!山崎君!
こんな昼間から見張るなんて!!
見つかったらどうする!!!」



近藤は、山崎さんから山崎君と呼ぶようにしている


近藤の方を向くと澄まして


「見つからなければいいんでしょう」



「自信があるのか?」



「自信というのかわかりませんけど
見つからないようにするのが仕事なので」


「わかった いけ」



シュッと天井に消えて行った



「歳!山崎君は、復帰して間もないんだ
急にあれこれさせるのは…」


「本人がやるって言うんだから
いいじゃねぇか
それに、俺も忍がどれ程なのか
知りてぇんだよ」



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