浅葱色の忍

沖田総司

山崎君が女の子だと知っても
あまり驚きは、なかった


これまで、そうじゃないかと
何度も思ったから


それは、思ったというより


願ったに近い



山崎君のような女の子と恋をしたら
きっと、楽しいだろうと…



実際に山崎君と恋をしているのは
近藤さん



近藤さんが打たれ、ここに運ばれたとき
山崎君は、我を忘れ
土方さんに怒られた

僕もだけど…


近藤さんは、とても大切な人だから
命を賭けたくなるんだ


賭ける命がどれほど残っているのかは
よくわからない


ただ、



近藤さんを失っては、生きてゆけない



それは、わかる




繋いだままの山崎君の手は
思ったよりも、小さかった




頼りないほど




「両手に花だな!?」

吉村君にからかわれて



「ホンマ!幸せ~!風邪ひいて儲けた!」


なんて、言いながら手をぎゅっと握る



病気になって良かったなんて
僕は、思ったことなかった



ただ、こうして3人並んで寝れることは
確かに幸せかもしれません



肩の怪我の包帯を巻き直す為
近藤さんが起き上がる

でも、近藤さんも手を離さなかった



「勇 寒いやん」


「巻き直す間だけだ我慢してくれよ
烝は、寒がりだな?」




名前で呼び合ってるんだ…




吉村君があんまり手際が悪いから
烝がのそっと起き上がると
僕の手を離した


「ここから巻くねん!んで、こっち
やってみ!そそ!そこしっかり!
ゆるいと解けるで?」


右手が…… 凄くさみしい……



「クッシュンッ!!」


ちょっと変な山崎君のくしゃみ
モゾモゾと布団に戻ってくると
そっと僕の手を握る



「寒い~」


「クスクス」



僕の心が伝わったのかと思ったよ
寒いだけ… でも、嬉しい



「アタタメテアゲル」


ゴソゴソと山崎君を包み込む


「おおきに」



僕を意識しない山崎君と違い



「コラッ!総司!!」



近藤さんは、大慌て



「ズルいぞ!私も!」



「山崎が1番重病みたいだな…」


吉村君が呆れていたが
山崎君は、僕の看病で寝てなかったのかな

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