浅葱色の忍
昼過ぎに幕府からの使いが屯所へ



近藤と山南、土方が対応していた
会津藩からの書状を山崎が持ち帰り
それの返答を幕府にするためだった



「戻りました」


「入れ」




山崎が入り、近藤に書状を渡す



「ひっ!」



山崎を見た使いが、頭を下げる




「そんなことしなくていいですよ
もう、貴方の上司ではありませんから」




これに、近藤ら3人が目を開く



「他に用事はありませんか?」


「…特には」


「では、失礼します」




普段通りの山崎に

使いが声をかける



「山崎さん!!ここにいること
知らせてもいいですか?」


「どうぞ」


「ずっと、探してたんですよ
江戸を ですけど」


「俺が勝手に出たみたいじゃないですか
ちゃんと許可も得ましたし
何より、探してやらないとか
いってましたけど?」


「今も探しておられます」


「なら、すぐ辞めさせるように
言っといて下さい では、失礼します」





使いが帰った後



幹部が召集された







「どういうことだ!?聞いてねえぞ!!」


「隠してたつもりはないんですけど
聞かれなかったので」


「何の話だ?」



永倉が聞くが

答える前に

山崎が、思い出した


「あ!源さんって、井上でしたよね?」

「そうだが?」

「兄上は、松五郎ですか?」

「なぜそれを?」

「松五郎と仲良かった忍って、俺のことです
俺、一ツ橋慶喜の側近してて
いわゆる隠密だったんです!」




「「「「「ええええええええ!!!!」」」」」
















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