浅葱色の忍

慶喜の傷

烝華の両親が来た



烝華に会う為ではなく
俺に大事な話があると…


梅沢と平岡は、その内容を知っているような素振りだった




「慶喜様…あの子、物心ついた時から
忍になるのが夢だったんです…
私は、あの子を嫁がせることが夢でした
だから、慶喜様との婚礼の際
1つ、嘘をつきました」


母親は、泣き出した


代わりに父親が、語り始めた



「梅沢様と平岡様に、これが任務だと
言い聞かせて貰ったんです
梅沢様からの便りで、あの子が慶喜様に
本当に恋をし、幸せであるとあり
嘘をついて良かったと思っておりました
ですが…
それが、思わぬ方に向かっていると知らされ、どうして良いか迷っているうちに
あの子から、任務なのに懐妊したけど
産んで良いかと文があり
その時、出産に必要な物を送りましたが
あの時……
言うべきでした」



「すみません 
恋心は、わかっていたのですが
俺、烝華の為だと思って…
慶喜様の練習相手だからと言ってしまい
ご両親は、悪くありません
任務だと思い込んだのは、俺のせいです」


「俺は、きちんと慶喜様からのご寵愛が
本当だと教えてやるべきでした
不安そうにして、いつも寂しそうに
我慢している姿に可哀想だと思いつつ
行動を起こさなかった
俺が、もっとしっかりしていたら」



良くないことがあったのだ



「烝華に何かあったのか…?」



恐る恐る聞いてみた

手が震えるのを抑えきれず

衣を握った



「御子が…亡くなりました
5日前の事です」


「なぜ言わなかった!!」


「烝華が、美賀子様の懐妊を知り
慶喜様が喜ばれている姿を見て
言わないで欲しいと……」


「烝華は!?烝華は、どうしている?」


「烝華も危ないところでしたが
どうにか一命を取り留めました」


「そうか……良かった」


「あの子、泣かなかったそうです
忍だった私の祖父が亡くなった時も
あの子泣かなくて、その時初めて
忍になると言い出して
今回も、忍になると言い出したそうです」



「どうか、慶喜様の忍として
雇って頂けませんか?」









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