浅葱色の忍
それから、長々と
慶喜の気持ちを信じて欲しいと…

2人からの説得


あんなに寝とくのが面倒だったのに


疲れて寝込んだ


あの怖い女らが言う通り

安静が必要らしい





慶喜の気持ちなんて、あったのか?








起き上がれるようになると

また2人から説得された









阿部が、城に来いと言ってくれたあの日






初めて自分の気持ちがわかった


美賀子に嫉妬心というか



仲の良い2人が、羨ましいと思ったんや




慶喜の態度が、美賀子と俺で
全然違いすぎて


阿部の前で、泣いてしまった





何も理由を聞かず



城に来いと言ってくれて

俺も、そうしたいと言った





自分の醜い心から逃げたかった


実際は、慶喜と美賀子から逃げたかったのかもしれない








だから、そもそも





どれだけ2人から
慶喜が本当に俺を想ってくれていると
聞かされても


実感出来なかった








美賀子が正室になった時点で


俺は、慶喜の練習相手を辞めていれば…








「烝華!!!慶喜様は、本当に烝華の事を想っているんだ!!側室じゃないと駄目だって、慶喜様が言ったんだ!
待ってるんだぞ!!」







なのに…



期待してしまう…













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