浅葱色の忍
烝と子の話をしたことがない


本来なら、俺が名づけるべき名


どうしても罪悪感が湧く




「どうした?」




庭の散歩中

立ち止まった俺を心配そうに烝が見る



「昨日は、平岡と出掛けたそうだな」


「うん」


「楽しかったか?」


「……は?」


笑ったからには、楽しかったのだろう?



「あのさ… 平岡が勝手についてくるだけで
別に遊びに出掛けたとかじゃないぞ?」



怪訝そうに俺を見てくる



「すっ… 烝!」


「なんだよ」


「名を… 聞いておこうと… 子の…」



思い切って言ったが



「平岡から何か言われた?」


「……いや」


「慶喜は、興味ないのかと思ってた」


「そんなはずなかろう!俺の子だ!」


「っ!!!はぁ!?俺の子だ!!」



フンッと烝が怒ってしまった




いや、俺の子だろう






そこから、散歩が終わるまで
一言も交わさなかった







梅沢に指南して貰おう







「烝は、独り占めしたいのでしょう
急に慶喜様が興味を持たれたことに
ヤキモチでも妬いたかな?」



もうこの世にいないのに???











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