浅葱色の忍
兎に角!




2人から逃げんと!!




「甘味が苦手なら、違うものでもいいぞ?」


!!!



「いえ!結構です!
私、今夜は仕事もありますし!」


「そうか」


「残念ですねぇ」





ふわっ  風に乗り届いたニオイ



火薬?





「烝華?」


「…あ、土方はん
あれ、あの荷車…火薬のニオイがする」


「クンクン そう?」


「うーん わからねえな」


「ちょっと様子見てきましょうか?」


「あのなぁ… そんなとこだけ兄妹で
似なくてもいいんだよ!
山崎に頼むから、お前は帰れ!」


「桝屋はんは、私のお客様だから
挨拶交わすくらい、不審ではありません
今、ここにお兄ちゃんがいるなら
いいけど、いないんだから!ね?」


「挨拶だけだぞ…」


「はい!では、向こうの角で
待ってて下さいね!」



通りがかりに挨拶に来たと言い

少し話をして



2人の元に



「間違いないです!火薬ですよ!
桝屋はんが、火薬なんて変ですよね?」


「そうだな ありがとうよ」


「お兄ちゃんに帰るように言って来ますね」


「ああ 頼む」


「甘味は、お預けか…」




沖田さんの情けない声を聞きながら

お辞儀をして、その場を去る












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