浅葱色の忍
「山崎!大丈夫か?」


「大丈夫ですよ
先に戻って休みます」


「…ああ、いいぞ」





忍ってのは、なんでも出来るのか?


上手く受け身で逃げたのか?

いや… 鈍い音したやな?




痛そうな素振りもなけりゃ





動きだって、全然変わりない







屯所に戻り、山崎に与えた部屋

部屋と呼ぶには、残念な物置に行くと


「何か?」


起こしてしまった


「用事はねえよ
寝てるか確認しにきた」



「寝てたのに…」


「すまん! ってか、いつもそんな寝方か?
横になれよ」


「屯所にいるときは、この寝方でいい
すぐに動けるから」


「そうか… なぁ、聞いていいか?」


「どーぞ」


「俺と戦ったら、勝てそうか?」


「どんなやり方でも、と言われれば
余裕です
剣術は、あっさり負けるでしょうけど」


「大した自信じゃねえか
今度、手合わせしようぜ!」


「今度ね!とりあえず、寝ます!」


「そうだった、悪ぃ」




胡坐で、箱に顔を伏せて寝ている


徹夜でうたた寝した時の俺みてぇだ





男にしちゃ細く華奢な体






恐ろしいほど早い身のこなし
忍ってのは、想像以上に凄えな







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