浅葱色の忍
夜中








「山崎君いるかい?」




話し掛けられても、答えるわけにいかない

気配を消し、ジッと座ったまま






「明里に渡して貰いたい」





文を懐から出した




副長の命令を破ることになるが




シュタッ




「お預かりします」




「ありがとう」





にっこりと笑った





なんて、晴れ晴れした顔






「君は、大丈夫かい?」


「何がです?」


「しゃべり方、近頃戻ったから…」


「気づいてたなら、愚痴くらい聞いてくれや
同じ歳のよしみで、もっといっぱい話をしたかったのに…」


「近藤さんを頼みましたよ」


「……俺だけじゃ、力不足です」


「そんなことないさ
近藤さん、山崎君の事とっても贔屓にしてたからね」


「今は、伊東さんですよ」


「はははっ それもそうだね」


「努力はしてみます!
この文は、いつ渡しますか?」


「僕が、旅立ってから」


「承知しました」
















山南さんが、切腹をした







新選組には、まだまだ山南さんが必要やったのに












明里に文を渡すと


すぐに、泣き叫ぶ声が響いた











どうやら、切腹計画を伝えていたようだ







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