ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
「どうにか巻いたな。」

「うん……」


1組の教室がある場所まで走ってしまったので息切れが半端なかった


あたしと真くんは上下に肩を動かしながら息をする。


「つーか、ウサギ。さっきなんて言った?」

「ほぇ?」


真くんは親指であたしの頬を摘み、ゆっくりと上に上げる。


「なんか、ちっちゃい声で聞こえなかったんだけどなぁ……」


「っ///」


真くんはきっと聞こえていたんだ。
わざとしらばっくれたふりをしてるんだ。


ずるいよ……
わかってるくせに。
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