イケメン兄の甘い毒にやられてます
「…圭吾さん、」
『どうした?何か元気ないな』

「…そんな事ないです!」

夕陽は強がってみせた。

『独りぼっちだから、寂しくなったんだろ?』
「…違う」

寂しいなんて口にしたら、一人でいられなくなる。

『意地っ張りだな、夕陽は』
「…」

『夕陽、俺の部屋のベッドで寝て』
「…なんで?!イヤですよ」

『いいから、早く!!』

珍しく大きな声で言われて、夕陽は思わず立ち上がった。

「…痛っ」
『どうした?夕陽?』

「…何でもないです」
『何でもないって声じゃなかったぞ』

「…学校で」
『ん、学校で?』

「…ちょっと捻挫を」

夕陽の言葉を聞き、受話器越しに、圭吾の溜め息が聞こえてきた。…だから言いたくなかったのにと、夕陽は思った。

『明日、学校行けるのか?』
「…行けます」

『無理そうなら休め。登校時間までに帰ってやれないから』
「…心配し過ぎです」

『心配したりない』
「…ぇ」

『今は、一緒にいてやれないから』
「…ありがとう…圭吾さん」

素直にその言葉が出た。
『素直な夕陽、カワイイ』
「…っ!切りますよ!」

『フッ…少しは気が紛れたみたいだな』
「…もう、ホントに切りますよ。おやすみなさい」

『ちゃんと俺の部屋で寝ろよ。おやすみ』

電話は切れた…
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