イケメン兄の甘い毒にやられてます

嫉妬と書いて、ヤキモチと読む

「…あら、お二人さん、仲良く二人で登校?」
「…咲!」

正門のところで、3人が顔を会わせた。

「…夕陽、ほら降りて、ここからは私が連れてくから、春人は自転車置いてきな」

「…あぁ、頼む」

夕陽を支えるように腕を組んで、そう言った咲。春人は咲に夕陽を預け、自転車置き場に向かった。

「…ねぇ、咲」
「…なに?」

「…私ね、」
「…どうした?あ、春人にコクられた?」

ズバリ言われ、足を止めた夕陽。

咲は笑って、夕陽を歩かせる。

「…いつかは言うんだろうなとは思ってたけど、やっと言ったんだね」

「…咲は、春人の気持ち知ってたの?」
「…やぁね、知らないの夕陽だけだよ?周りはみんな気づいてるって」

「…私って、鈍感なんだね…」
「うん、そうだね」

「…咲~」
「…あはは。…で、どうするの、返事?」

「…昨日の今日で、返事なんて…春人はずっと友達だったし」
「…まぁ、そうなるよね。だから、さっさと告白しなって言ってたのに。…決めるのは夕陽だから、あれなんだけど。春人はホントにいいヤツだよ。たぶん、夕陽を幸せにしてくれる。よく、考えてやって。もし、答えがノーでも、私らの仲は変わんないからね」

「…うん」

「…おーい、夕陽、咲」

「…ぉ、噂をすればなんとやら」
「…なんの?」

「…別に~、ねぇ、夕陽」

咲の言葉に、夕陽は作り笑いを浮かべるのがやっとだった。
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