black×cherry ☆番外編追加しました
「!」
その、声の主を確認すると、私の心臓は止まりそうになってしまった。
(早川先生・・・!)
長身に、仕立てのいい紺色の細身のスーツ姿。
爽やかに笑う先生は、いつもと少しも変わらなかった。
「お疲れ様。ごめんね、ここまで来て。ロビーから走っていくのが見えたから」
そう言うと、先生は持っていた大きな花束を私に「はい」と差し出した。
顔が埋もれそうになるくらい、大きくて、かわいらしいきれいな花束で、受け取った瞬間、すぐに甘い香りに包まれた。
「あっ・・・ありがとうございます・・・」
「うん。コンサートすごくよかったよ。ああ、それでえっと・・・こちらは?」
早川先生は、にこやかな笑顔のままに黒崎さんに目を向けた。
黒崎さんは、無表情で早川先生を見返した。
(・・・なんか、気まずい・・・)
仮にも、先生は婚約予定である相手。
そして、黒崎さんは片思いをしている相手。
二人を前に、後ろめたい気持ちになって小さな声で返事する。
「以前、お世話になった刑事さんです。私の伯父とも、仕事が一緒で」
「・・・へえ・・・。刑事さん」
早川先生の声は、どこか冷たさを帯びたようだった。
けれど、笑顔のままで言葉を続ける。
「初めまして。早川雅樹と申します。羽白総合病院で外科医をしています」
「・・・そうですか」
軽く相槌を打って会釈をすると、黒崎さんはその場を立ち去ろうとした。
けれど、早川先生は引き留めるような声を出す。
「咲良ちゃんとは近々婚約をする予定です。なので、婚約者だと思ってください」
「・・・」
黒崎さんが、わずかに目線を動かした。
それが何を意味するか、わからずに不安な思いが駆け巡る。
「・・・わかりました。では」
それだけ言うと、黒崎さんはまた会釈をして今度こそその場を立ち去った。
その、声の主を確認すると、私の心臓は止まりそうになってしまった。
(早川先生・・・!)
長身に、仕立てのいい紺色の細身のスーツ姿。
爽やかに笑う先生は、いつもと少しも変わらなかった。
「お疲れ様。ごめんね、ここまで来て。ロビーから走っていくのが見えたから」
そう言うと、先生は持っていた大きな花束を私に「はい」と差し出した。
顔が埋もれそうになるくらい、大きくて、かわいらしいきれいな花束で、受け取った瞬間、すぐに甘い香りに包まれた。
「あっ・・・ありがとうございます・・・」
「うん。コンサートすごくよかったよ。ああ、それでえっと・・・こちらは?」
早川先生は、にこやかな笑顔のままに黒崎さんに目を向けた。
黒崎さんは、無表情で早川先生を見返した。
(・・・なんか、気まずい・・・)
仮にも、先生は婚約予定である相手。
そして、黒崎さんは片思いをしている相手。
二人を前に、後ろめたい気持ちになって小さな声で返事する。
「以前、お世話になった刑事さんです。私の伯父とも、仕事が一緒で」
「・・・へえ・・・。刑事さん」
早川先生の声は、どこか冷たさを帯びたようだった。
けれど、笑顔のままで言葉を続ける。
「初めまして。早川雅樹と申します。羽白総合病院で外科医をしています」
「・・・そうですか」
軽く相槌を打って会釈をすると、黒崎さんはその場を立ち去ろうとした。
けれど、早川先生は引き留めるような声を出す。
「咲良ちゃんとは近々婚約をする予定です。なので、婚約者だと思ってください」
「・・・」
黒崎さんが、わずかに目線を動かした。
それが何を意味するか、わからずに不安な思いが駆け巡る。
「・・・わかりました。では」
それだけ言うと、黒崎さんはまた会釈をして今度こそその場を立ち去った。