婚約指環は手錠の代わり!?
控えめに声が挙がって、ようやく食べ始める。
というか、先にはじめていいと海瀬課長が指示を出していたようで、コースは半ばまで進んでいた。
向かいに座る椎名さんは気の利く方みたいで、海瀬課長と私の分を取り分けてあった。
宴会だというのにお通夜のように暗い。
ここの課は毎回こんな宴会をしてるんだろうか?
「あ、すみません。
どうぞ」
ぼーっと箸を運んでいたら、視界の隅に手酌しようとしていた海瀬課長の手が見えて慌てて瓶を掴む。
注ぐと、海瀬課長はくいっと一気に飲み干した。
「一応聞いておくが。
君は飲めるのか?」
「……たぶん」
「たぶんって、飲んだことがないのか」
「……はい」
いままでコンパやなんかで、一度もお酒を飲んだことがない。
勧められなかった訳じゃないが、その、……いい印象がなくて。
酔った父が駅からの帰り道、田圃に落ちた、などということが日常茶飯事となると、ね。
というか、先にはじめていいと海瀬課長が指示を出していたようで、コースは半ばまで進んでいた。
向かいに座る椎名さんは気の利く方みたいで、海瀬課長と私の分を取り分けてあった。
宴会だというのにお通夜のように暗い。
ここの課は毎回こんな宴会をしてるんだろうか?
「あ、すみません。
どうぞ」
ぼーっと箸を運んでいたら、視界の隅に手酌しようとしていた海瀬課長の手が見えて慌てて瓶を掴む。
注ぐと、海瀬課長はくいっと一気に飲み干した。
「一応聞いておくが。
君は飲めるのか?」
「……たぶん」
「たぶんって、飲んだことがないのか」
「……はい」
いままでコンパやなんかで、一度もお酒を飲んだことがない。
勧められなかった訳じゃないが、その、……いい印象がなくて。
酔った父が駅からの帰り道、田圃に落ちた、などということが日常茶飯事となると、ね。