婚約指環は手錠の代わり!?
「今日、給湯室の当番でしょ。
始業前に準備終わらせとくの、常識でしょ?」

「……すみません」

初耳の当番に、常識なんて持ちだしてこられても困る。

「さっさと終わらせてきて!」

「……はい」

仕方なく席を立ち際、まわりを見渡したけどさっと全員に目を逸らされた。
三課の人間は当てにならないので、同じ給湯室を使ってる二課の人間に聞いてみる。

「あの、すみません……」

「三課のことは三課で解決して」

一番年の近そうな人に声をかけてみたものの、あきらかな拒絶。
というか、なぜか怯えていらっしゃる。
さりげなくまわりを見渡したものの、三課と同じで目を逸らされた。
仕方なく、とりあえず給湯室まできたものの、途方に暮れてしまう。

「準備ってなにしたらいいんだろうねー」

……はぁーっ。

「芹口さん?」
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